最愛の君へ

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「そうだっけ?」 「そうですよ。 それより、早く部屋に行きましょう」 「なんで急いでんだ?」 「お腹ヘってるんじゃないんですか?」 「うん、減った」 「じゃあ早くしてください」 そう言って、スタスタと歩いていくティナ。 「ロクサス」 「うん?」 「あいつ、なんか機嫌悪くないか?」 「う~ん…。 そんな気もするけど…どうだろう」 「まぁ、どうでもいいか。 そんなことより、さっさと飯食ってみんなを探そうぜ」 「あぁ、そうだな」 アクセルとロクサスはそのままバカでかい寮の中に入っていき、一瞬ティナとはぐれて道に迷いながらもなんとかティナの部屋に到着した。 「へぇ~。 案外綺麗に整頓してんだな」 「案外は余計です」 「飯まだ?」 「少しぐらい我慢してください」 アクセルとロクサスの言葉に、やはり若干棘を感じるような言い方で答えるティナ。 少し嫌な気分になったアクセルは… 「おい、ティナ。 さっきから妙に言葉に棘があるな。 そんなに俺がいるのが嫌なのか?」 急に顰めっ面になるティナ。 「そんなんじゃありません!」 「じゃあなんでだよ?」 「それは! …それは…」 「…ティナ?」 ロクサスがティナに優しく呼び掛けるのとほぼ同時に、ティナがポツリと呟いた。
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