最愛の君へ

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「なんで…」 「え?」 「…なんで私には何も言ってくれなかったんですか!?」 「なんでって…」 「いきなりアクセルさんが現れて、2人で話初めて、納得して…私にはなんの説明も無かったじゃないですか! しかもその後勝手に消えていった上に、周りの人達には記憶すら残ってなくて… 私がどれだけ混乱したか分かってます!?」 「…それは…」 「短期間とはいえずっと一緒にいたのに何の説明もなしにいなくなったんですよ!? そんなの、誰でも頭にくるに決まってるじゃないですか!」 息を荒くしながらそう言ってくるティナの目にはうっすらと涙が佇んでおり、流石のアクセルもこれには言い返せる筈もない。 「えっと…ごめん」 俯きながら、ポツリと謝るロクサス。 「あんまり話せる内容じゃなかったし…」 確かに、自分たちが実際には存在しておらず、単なる数列の集まりだ、などとは、そう簡単に言える筈もない。 「…解決したんですか?」 「あぁ」 「なら…許してあげます」 「ホントか!?」 「ただし、条件付きですけど」 「…条件?」 「なにがあったのか教えてください。 そしたら、寛容な心で許してあげます」
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