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「妙だな…」
不意に、呟くようにアクセルが言葉を発した。
「なにがだ?」
「俺は…ロクサスと一緒に闘うのは、これが初めてだよな?」
「あぁ、そうだ」
「…いや、いいんだ」
「?
変なアクセルだな」
「そりゃどうも。
さぁ、さっさと街に行ってみんなと合流しよう」
「そうだな。
桜たちのことは…データとしては知っているが人間としては全く知らない。
多少楽しみではあるな」
「命がけで助けた。
それを、後悔する事はないだろう」
「会えば、わかる。
さぁ、早く出立しよう」
「あぁ」
アクセルとロクサスは累々と築かれる死体を後にし、それぞれの思いを抱きながら仲間の元に向け歩き出した。
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「来…た」
そう呟いた桐崎 桜の表情は、まるで霧が晴れたかのような清々しい表情をしている。
「桜、何か言った?」
姉の愛は桜の呟きが聞き取れなかったらしく、急に立ち上がった桜を不思議そうに見上げている。
「来た…!」
再び、今度は強い確信を含めたように、力強く桜が言った。
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