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メランコリックな空の下僕は2度目の首吊り自殺を図ろう。
一度目に失敗した訳ではない。
単に前の僕の話だ。
特に苦しくもなく、痛くもないから本当に死ぬだけなのだ。少なくとも、僕にとっては。
逝かないで、と叫ぶ声だってもう河の向こうの話みたいで非現実的でしか無い。
ばいばーい。またいつか。
そんな穏やかで馬鹿馬鹿しい事を心の中で呟き、泣き出しそうな君を見下す。
ざまあみろ、人間
ガタン
息を吸うと薬品臭くて吐き気がした。
僕は目を開け起き上がるとコードを抜く。
首には赤い傷痕が残っていて愛情を感じざるを得なかった。
君は笑顔で僕にキスするとまた日常に還って往く。
そしてまた僕は死ぬのだ。
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