二話 魂喰道具 Ⅰ

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「なら浮浪者さんで」 「ゲインだ!見た目でそうつけやがったな!?」 男――ゲインは口調荒々しくイザナを睨みつける。 「まあ、このさい名前はどうでもいいけど」 「…………俺はお前が知りたい情報は持ってねぇぞ」 「それを判断するのは僕らのほうだから。 あなたは答えるだけでいい。【イエス】か【ノー】か」 イザナは言いつつ、ゲインに近寄った。 ゲインはやや警戒するようにイザナを見ている……。 「単刀直入に聞きます。 【邪道具】を知っていますか?」 「邪道具?」 ゲインはわずかに反応する。 眉がぴくりと動いていた。イザナはそれに気づいたがあえて何も言わず続けた。 「邪道具とはね、古(イニシエ)の悪い【魔女】がつくった道具ですよ」 魔女……それはもはや伝説のような存在である。 小数でありながら彼女らの力はずば抜けていたらしい。 神、あるいは魔王に匹敵するほどの力を有していたと言う。 今現在の魔術の祖になった【魔法】を扱い、それは同じように伝説とされる魔族をも圧倒したとされている。
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