二話 魂喰道具 Ⅰ

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しかしまだ魔族のほうが現実味がある。 魔族は稀であるが現在も目撃されているからだ。 まあ、ほとんど姿を現すことはないが。 それはともかく。 魔女には魔力の他にふたつ、特殊な【力】がある。 魔力を扱う者――魔術士は呪文を唱えないといけない。 そのほうが力を引き出しやすいからだ。 だが魔女は詠唱破棄ができたらしい。 魔力をイメージして力を構成。 どんな生物(魔族もふくむ)にも不可能であるが、魔女はいとも簡単にできたと伝承にはある。 そして魔女は特別な技術を用いて独特な【道具】を作れた。 独特なふたつの道具。 そのひとつが邪道具。 「邪道具?やっぱしらねぇな」 ゲインは首を横に振った。 邪道具とはよこしまな魔女が生物を破滅させるためにつくった道具だ。 魔族(より人型に近い)をとらえ、生きままの奴から骨を取り出し、生き血がついたそれを削り、加工したのが邪道具と呼ばれる代物。 邪道具は普通の人間などもその邪道具特製の【魔術】が使えるが、副作用――というか、頭のネジが何本が外れ、扱う者にとってはいいことがない。
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