エンカウント

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「あの……なんだ……その……」 『……』 学校の校舎の裏庭で、今、愛の告白をしようとしている男がいる。 「えっと……うーんと……」 『……ウチに何か用?』 モジモジしている男に女が口を開く。 「いや……用っていうか……」 男の目は泳いでいた。 女は腕を組み、表情はどんどん歪んでいく。 「あの……俺と付き合ってください」 男は女に、自分の気持ちを伝え、軽くお辞儀した。 男からの気持ちを告げられ、腕を組んだまま口を開く。 『アンタがウチと!? 却下に決まってんだろ!!』 「えっ……なんで?」 男が、ガクッと肩を落とし女に問う。 『なんでじゃねーよ。ウジウジしてて人の目も見ないで……真剣さが全然伝わって来ないんだよ』 女の言葉に、男が徐々に涙目になっていく。
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