エンカウント

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「阿須香、ちっす」 阿須香に話し掛けてきたのは、形だけの友達の、由紀。 『由紀、今日も部活頑張ろうね』 阿須香が微笑みながら言った。 「でも阿須香には勝てないからなぁ~」 『積んできた経験が違うからね。ウチだってそれ相応の練習してきたから』 「あはは、阿須香には適わないなぁ」 阿須香と由紀が談笑している。 周りから見ると普通に会話しているだけだが、阿須香はこの時も皮を被っている。 『さっ、先生来る前に着替えちゃお』 「そだね」 2人は更衣室に入り、袴に着替える。 そして防具を装着し、竹刀を握る。 「さて、ストレッチやりますか」 『あれ、他の4人は?』 女子剣道部の部員数は、阿須香と由紀を含め6人。 ちなみに、男子剣道部は存在しない。
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