部活

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部室の鍵は1年生が順に管理することになっており、何故か私が部室を開ける日に限って先輩が早く来る。いつもは部活に来なかったり、遅刻してくる先輩達は、その日だけは私よりも早く来ている。 桃山が遅くなったときは笑って許していたくせに。 理由は何となくわかる。 仮入部の時に一度も顔を見なかったが、先輩達は1年生が本入部する日にやってきた。そして、私が名乗ると即座に反応した。それも良い反応ではなかった。しかし、その時は特に何もなかった。その日の部活の休憩中、思わぬ人が現われた。 「要ちゃん!」 声を掛けられた時、私はタオルで汗を拭きつつ水分補給していた。その声を聞いて、口に含んだ水を吐き出してしまった。
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