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「ブッ!!あ…あか、ゲホッ…」
茜だった。茜は咳き込む私の近くに来て、背中をさする。
「要ちゃん、大丈夫?」
「だ…大丈夫だから!何で茜こそここにいるの?!」
今更ながらに茜と姉妹だとばれることを危惧した。
今なら、茜を追い返せば、「名字が同じだから、気に掛けてくれる優しい先輩です!」とか取り繕えるはず!!
しかし、茜は何を思ったのか周りで静観していた陸上部の面々に微笑みかけた。私の隣に並んで、
「要ちゃんをよろしくお願いします!すごく良い子で、私の自慢の妹なんですよ」
茜の無邪気な笑顔を私は呆然と見つめていた。
私の名字を聞いて嫌な顔をした先輩達は、その様子を冷めた目で見ていた。
その日から先輩達に嫌がらせを受けていた。
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