追う男と無視する女

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出会いはよくある合コンというやつだ。 見かけも話しかたもチャライ奴だと思った。 サラサラした長めの髪。 細面な輪郭。 印象深い切れ長の二重。 少しふっくらした唇。 低めの擦れた声。 女を口説くにはわけない様な奴だった。 親の金で遊んで暮らす大学生だと自分で言っていた。 絶対に好きになれそうの無い人種だった。 「ホストにでもなれば?」 私が最初に掛けた言葉だった。 彼は、何が楽しかったのか大声で笑っていた。 「気に入ったかも。俺と付き合わない?」 それが、龍との始まりだった。 .
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