幼なじみと一年前

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~一年前~ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 潮の香り漂う波丘町にある、ここ私立波丘高校。 『自由』『勤勉』『堅実』がモットーの中堅上位校だ。 特にスポーツにおいては自然環境の充実した立地を生かし、あらゆる競技で好成績を残している。 それにしても… 「いいところだなぁ…」 登校中の上り坂がキツイのは堪えるけど、町で唯一の丘の上に建てられた校舎からは町と海を全て眺める事が出来る。 『自主自律の出来る人間になる!』 これを理由に親にこの高校を受験させてもらった。 一人暮らしがしたいって言ったら、親父が波丘に行くなら許可してやるって言ってきたんだ。 こんな綺麗な町なら断る理由はないし、学力も少し落として入れるぐらいでちょうどいい。 こんなに事がすんなり進むと多少不信に感じるけど、みすみすこんなラッキーを逃しては神様にバチが当たりそうだから親父の条件をのむ事にした。 「…にしても」 マジいいところだなぁ。 不安とか悩みとか吹っ飛びそうだよ。 ここで俺の新しい生活が始まると思うとワクワクが止まらねぇ。 「よしっ、行くか!」 校門をくぐり、新生活への第一歩を踏み出した。
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