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■彼氏編■
「今日何の日かわかる?」
彼女の質問に戸惑った。
付き合った日?初めてデートした日?とか・・・
違う、全部今日じゃない。
どうしよう、さっぱりわからない。
黙って考えてると
「やっぱりわかるわけないか・・・」
彼女の言葉がズキッと胸に突き刺さる。
でも、彼女の顔は明るい。
普通怒るような気がするのに、なんでだろう。
「ごめん、今日は何の日なの?」
「えー、教えない」
無邪気な笑顔を僕に向け、頬にキスをしてくれた。
怒っていない、むしろ機嫌がいい!?
ますます何の日かわからなくなってしまった。
■彼女編■
今日は私の大切な日。
でもそれを彼は知らない。
「今日何の日かわかる?」
私は意地悪な質問を彼にしてみた。
彼はとても困った顔をしている。
実は彼の困った顔が結構好き。
いつも何も考えてないような顔してるから、たまに見ると新鮮。
「やっぱりわかるわけないか・・・」
逆にわかったら怖いけどね・・・
気になったのか彼は聞いてきた。
「ごめん、今日は何の日なの?」
「えー、教えない」
だって今日は私があなたを好きになった日だもん。
一年前の恋した瞬間の甘ずっぱい気持ちがよみがえってきた。
自然に笑顔がこぼれ、彼の頬にキスをした。
意地悪な質問してごめんね。
でも、今日もっとあなたのこと好きになったよ。
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