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どうしてこうなったんだろう……。
ただひたすらに悲しみの涙と悔しさが込み上がる。
いつも僕は、肝心な時に役に立たない。
義経さんの時も……。
大阪城の時も……。
そして今も……。
僕は、手を伸ばして菊一文字の柄を握りしめた。
『誠』
誓いをたてた時から僕が背負ってきた文字。
また守ってきた字でもある。
『新撰組』
僕の居場所。
暖かくて温もりを感じ、安らげる。沢山の仲間達。
まるで家族のような……。
血は…………もうあまり残ってないな。
僕は立ち上がり、目の前の敵を睨みつけた。
ドクンッ!
ドクンッ!
「例え、力が尽きても……絶対にあきらめない!」
例えこの命に変えても!
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