小さな心

2/2
189287人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
どうしてこうなったんだろう……。 ただひたすらに悲しみの涙と悔しさが込み上がる。 いつも僕は、肝心な時に役に立たない。 義経さんの時も……。 大阪城の時も……。 そして今も……。 僕は、手を伸ばして菊一文字の柄を握りしめた。 『誠』 誓いをたてた時から僕が背負ってきた文字。 また守ってきた字でもある。 『新撰組』 僕の居場所。 暖かくて温もりを感じ、安らげる。沢山の仲間達。 まるで家族のような……。 血は…………もうあまり残ってないな。 僕は立ち上がり、目の前の敵を睨みつけた。 ドクンッ! ドクンッ! 「例え、力が尽きても……絶対にあきらめない!」 例えこの命に変えても!
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!