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美雪は耳をピクッと
そばだてて
キラキラした目で
ドアを見つめている
僕はその様子を見て
なんだかただならぬ
予感を感じた
はれて誕生日を迎えてしまい
24歳になってしまった
僕はまだ何も不自由なく
過ごしてしまっていた
「開けて」
ドアについている
小さな覗き窓は
古いせいかよく見えない
ドアを開けると
半年ぶりの香田まなが
いた
「あ」
と僕が驚いているのも
つかの間彼女は
一目散に部屋に飛び込んできた
「美雪っ」
あまりに早いので
靴をはいたままなのでは
ないか?とひやひやした位
「…久しぶり」
と小さな肩が優しく息をして
美雪を抱きしめている
僕は待っていた
香田まなが
美雪に逢いにくること
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