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「直ぐに基地に帰るようにだと…」
「なんだろ?」
「出撃命令が下ったらしいよ」
「え~!せっかくの休暇なのに…」
二人は側に止めてあったスクーターにまたがり、メットを装着した。イグニッションキーを回すとスクーターが宙に浮かび上がった。超電磁で浮遊する最新型だ。まだ開発途中の機能の為、スクーターぐらいにしか活用されていないが…。
二人の重さで機体が、地面すれすれまで落ち込む。そして、静かに走り始めた。
基地に着くと既に隊のメンバー達が、ブリーフィングルームに集まっていた。
壇上に立花中尉が、立つ。
「択捉中央部年萌付近に、また例の機体が現れた。今回は、ロシア軍部から直接の協力要請である。既にトシルリロシア軍基地は、破壊され跡形も無いそうだ。
ロシア軍はこの機体との関連を未だに否定しているが、恐らく制御出来なくなった『アンノウン』が暴走し始めたのであろう。既にサハリンより、ロシア航空隊が出撃している。ターゲットは南下しており、徐々に我が軍の基地の方に近づいて来ている。目的地は不明だが、更に南下すると見られる。
装備はこの間の戦いでわかってると思うが、銃器がほぼ効かない為肉弾戦になることが想定される。予備装備としてM81にワイヤー付ドリル射出機を装備。既にメカニック班が、装備を整えている筈だ。我々はターゲット付近まで機体を空輸。パラシュートにて降下、ターゲットを迎撃する。全員直ちに出撃!ターゲットの進行を食い止めよ!」
「「了解」」
ユウ達は急ぎハンガーへ走った。
機体には既に携行武器のM81が、装着されていた。
全機搭乗完了すると、その足で空輸機の格納庫に機体を入れる。2機の空輸機が基地を飛び立って行った。
既に他のM.A隊及び空軍機は、出撃している模様だ。
ターゲット付近に到着すると、1機2機と次々に降下を開始した。
ユウの機体が、空輸機より飛び立つ。
足蹴にした甲板より、空中に飛翔した機体が、巨大なパラシュートを開き降下する。
眼下では既にロシア空軍機及び他の隊が、『アンノウン』と交戦状態に入っていた。
無数の光線を放つ『アンノウン』、その姿はどこかしら苦しそうに見えた。
周りでは、次々と味方の機体がやられて行く。それを見て、ユウがぼやいた。
「情報が回ってないのか…銃器が全く効果ないのに、あんな戦い方じゃ…」
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