序章

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 「ほら!余計な事聞かない方がいいわよ」  「…悪かった俺が悪かった。そうだ!今度休暇取れたら何する?2人で美味い飯でも喰いに行くか?」  「ユウが仕事中にそんな事言うなんて珍しいわね…。何か悩み事でも?」  ジュリーの言う事は的を射ていた。  「…なんか不安なんだ…。それが何でだか、俺にも分からない…」  ジュリーはそれに対して上手い言葉が見つからず、とりあえずの言葉を繋いだ。ユウがこんなに弱きになっているのは、珍しい…。  「こんな時は誰だって不安になる!ならない方がおかしいわ…」  少し元気のないユウが、うつむきながら答えた。  「…あれから毎晩のようにナナやタケシの夢を見る…。その時の感覚に似ているんだ…起きている今も…。なんて言うか…」  「私も同じような物よ…。今でもあの時の恐怖は、忘れられないわ」  ユウは語るのを止めた。ユウの抱いている恐怖は、ジュリーが語っている恐怖とは別の物だ。恐らく話しても理解してくれそうもないので話すのを止めた…。  …数時間後  助手席に座っていた中尉が口を開いた。  「お前ら、もう直ぐ目的地に着くぞ。多少の物は町で買い出しが出来る。用意しとけ!まあ大半は軍の配給で事足りるが…。向こうに着いたら直ぐにキャンプの準備だ!いいな」  「「イエッサー」」  数分後…町に着いた。酒や携帯食やらを買い出しして、キャンプ地へと向かう。  ここからは、M.Aで動く事になる。地面の環境が悪いからだ。  M.Aで更に1時間程行った先に、キャンプ候補地がある。  一行はキャンプ地に着くと、直ぐ様テント設営に入った。  まずは本部となるタープを張り、宿営用テントを張る。雨や夜露等防ぐ為、M.Aにもシートを被せた。  コーヒーをキャンピングコンロで沸かし、飯は軍の携帯食で済ました。  そして、夜に作戦概要伝達の為に、野営本部に集められた。  立花中尉が作戦詳細を語る。  「翌朝0700より作戦を決行する!炊事班はなるべく早く起き間に合わせるように行動しろ!時間に遅れる事は許されない。時間厳守だ!今日は早く就寝し、体を休めろ!いいな…以上だ解散!」  翌朝…朝食を済ますと0700に出発。道なき道を行く。  1000時にはトシルリ在日ロシア軍基地近辺に到着。  その場でハッチを開き、双眼鏡で基地を視察する。  
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