序章

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 立花中尉が偵察する部下に声をかけた。  「何が見えるか?」  「何機かのM.Aが見えます。後は車両と航空機が数機。ハンガー内に、太いパイプが何本か見えます」  「ちょっと貸せ」  立花中尉は偵察をしていたハチから双眼鏡を奪い取ると、ハンガー辺りをアップして視察した。  「あれに間違いないな…。しかしここからじゃ中の様子が分からないな…」  その様子を見ていた脇にいたイイが、中尉に声をかけてきた。  「私が向こうに周り、写真を撮ってまいります」  「そうか…そうしてくれ。気を付けて行けよイイ」  「イエッサー」  イイは機体に飛び乗り、基地のハンガー内が見える場所へと移動して行った。  その様子を心配そうに見守るユウが、言った。  「隊長何があるのでしょうか?」  「分からんなぁ…、イイが写真を持ってくるまで待て」  「イエッ…うっ…」  ユウが突然震え出した。何かがユウの精神を圧迫している。この作戦を敢行する前から、彼の精神を蝕む物…。昔懐かしいこの感覚は…。  ジュリーと立花中尉が、心配して声をかける。  「ユウ大丈夫?」  「名取軍曹どうした?」
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