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午後から降り始めた雨は、全ての雑音を掻き消すように、静かに降り注ぐ。
そんななか、深緑に囲まれた墓地の片隅で、一人の男が、雨にぬれる事を気にする様子もなく、まだ新しさの残るお墓の前で手を合わせている。
「俺の心にも、いつからか、こんな静かな雨が降り続けてる気がするな」
男は、そう呟き空を仰ぐ。
三島義人(20)
この物語の主人公である。
3年前まではごく普通の優等生として、平凡な学生生活を送っていた。
だが、ある出会いをきっかけに、彼の生き方は変わっていった…
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