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そして、側頭部……こめかみ辺りを靴の踵部分で、ぐりぐりぐりぐり──
「俺が話してる時に、許可なく喋んな」
「…………ッ」
──ぐりぐりぐりぐりと、自らの体重を乗せて心地よくない刺激と痛みを、俺に与えてくる。
「それにダウトって何だよ? 俺はマコトだ」
「ダウトって言うのは……」
「だから、喋んなっつってんだろがッ!」
……新宮に頭をサッカーボールのように蹴られ、俺は転がり俯(うつぶ)せに。
「…………」
痛みを通り越して、クラクラするっていうか気持ちが悪い。
帰りたい……。
「ゴムみてェに極薄なテメェの存在なんて、すっかり忘れてたのによ」
なのに、帰れない。
クソッ。
俺はなんで今、こんな目に遭ってるんだ……?
「まさか、あんなカタチで再びお前を目にするとはな」
あの時、オフ会に参加していなければ……。
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