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「──はじめて会った気がしない、か? って」
「!」
「お前は何も答えなかったが、俺の言葉を聞いた時のお前の反応は……」
俺は頭を抱えながら上半身だけを起こして、新宮の傍らで無表情に俺を見下ろす少女ペット──マコトと目を合わせる。
「どうして、それをって顔してたよな?」
前にどこかで会った気がする。
マコトを見た時、そう思った。
それが、いつどこでだったのか今も思い出せず、胸のモヤモヤは晴れないままだが──
「当然だ。実際に見てんだから」
「……?」
──新宮はそれを知っているようだ。
「ネット上で、マコトの姿をな」
「…………あ」
新宮も【少女ペット倶楽部】で、自身が飼っている少女ペットであるマコトの画像を……?
「それに、実はわかってるんだぜ? お前がなんで、少女ペットを飼ってるのに、知らないフリをしたのかも」
「…………」
名探偵か刑事にでもなったかのような口調で、新宮は俺に話を聞かせる。
ここが地下駐車場ではなく崖の上なら、今すぐにでも飛び降りるのに。
「お前は、俺にバレるのを恐れたんだ」
鈍感な俺にも、新宮が何を言いたいのか──
「川嶋 咲姫を少女ペットのモデルにしたことを」
──分かりきっていたから。
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