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「そうなんだろ?」
「…………」
俺が何も返さずにいると、新宮は横にいるマコトが持っているリードを掴んだ。
「なァッ?」
「痛ッ!」
新宮がそれを手前に引くから、首輪ごと引っ張られた俺は無理矢理に立たされる。
「ビジネスの話をする時だってそうだ。俺はお前に訊いただろ」
そして、新宮の目と鼻の先まで引き寄せられて──
「お前さ、少女ペットって知ってるか? ってよ」
「…………ッ!」
──今度は引き剥がすように胸のど真ん中を殴られ、俺は後ろに倒れそうになったが、なんとか耐えた。
「それでも、お前は今みたいに無言で、何も答えようとしなかった。そのあと、しなくても良い少女ペットの説明までしてやったのに。お前は一向に、真実を語ろうとしねェし!」
そりゃそうだろ。
少女ペットを知らない前提で話をしないと、後々ややこしいことになると思ったから……。
「内気で人付き合いの激しく苦手な……少女ペットを飼ってるお前に、とっておきの良い話をしてやったって言うのによォ!」
結局、面倒なことになっているけど。
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