夢か現か、嘘か真か

18/31

21237人が本棚に入れています
本棚に追加
/1346ページ
「そうなんだろ?」 「…………」 俺が何も返さずにいると、新宮は横にいるマコトが持っているリードを掴んだ。 「なァッ?」 「痛ッ!」 新宮がそれを手前に引くから、首輪ごと引っ張られた俺は無理矢理に立たされる。 「ビジネスの話をする時だってそうだ。俺はお前に訊いただろ」 そして、新宮の目と鼻の先まで引き寄せられて── 「お前さ、少女ペットって知ってるか? ってよ」 「…………ッ!」 ──今度は引き剥がすように胸のど真ん中を殴られ、俺は後ろに倒れそうになったが、なんとか耐えた。 「それでも、お前は今みたいに無言で、何も答えようとしなかった。そのあと、しなくても良い少女ペットの説明までしてやったのに。お前は一向に、真実を語ろうとしねェし!」 そりゃそうだろ。 少女ペットを知らない前提で話をしないと、後々ややこしいことになると思ったから……。 「内気で人付き合いの激しく苦手な……少女ペットを飼ってるお前に、とっておきの良い話をしてやったって言うのによォ!」 結局、面倒なことになっているけど。
/1346ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21237人が本棚に入れています
本棚に追加