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「調子に乗りやがって……。テメェ、自分のことを何だと思ってんだ? まさか、俺と同等になったとか思ってんのか?」
「…………」
「アァッ? 答えろや、コラ!」
コンクリートの地面に踞(うずくま)り、亀の姿勢で横っ腹に何度も蹴りを入れてくる新宮の攻撃に耐える。
同等って言うか、下に見ているなんて……言える状況じゃないな、コレ。
痛いのか何なのか、麻痺しているのかよくわからなくなって、今、俺は何をしているのか、なんで生きているのか、何もかもよくわからなくなって、おかしくなりそうな頭が意識がすうっと遠退いていくようなこの感覚に――哀愁に似た懐かしさを覚えるのは何故だろう。
「オラッ! クソが!」
答はもうわかっている。
中学の頃にも味わったから。
ただ、それだけだ。
しかも、同じ人物の手に、足によって。
「ハハッ。一人前になったのは、口だけか? オイ、中原?」
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