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あれからどれ位時間がたったのかはわからない。
女達はみんな泣き疲れたのかグッタリしている。
連れていかれた者達は帰って来ない。一人、また一人と隣の部屋に消えて行った。
『次!6番!』
マリーの番が来た。
マリーも疲れていたのか、抵抗もせず自分からフラフラと扉に向かった。
ゆっくりと扉が開く。
一歩また一歩と足を踏み入れる。
ヒンヤリとした空気がマリーを包んだ。
先程の部屋よりは大分涼しいようだ。
広さはたいして変わらない。
部屋の中心に緑色の診察台のようなものが置かれている。
その横には白衣を来た初老の男。そしてさっきの四つ星男。
『6番、服を脱いでここに横になりなさい。』
『…やっぱり…』
台を見た時点で予想は出来ていた。
自分そこで“何か”をされる。
そして拒否しても無駄な事も…
言われるがまま、服を脱ぐ。マリーの白い肌は、蛍光灯に照らされ、さらに白さを増した。
診察台に横になると、暴れないようにか、男に手を押さえられた。
足は開いた状態で台に備え付けてある器具に固定された。
『暴れると時間を食うからな、大人しく見てもらえよ。』
マリーはこの時処女だった。
悔しさと恥ずかしさで涙が出そうになる。
だが泣かなかった。泣いたら負ける気がしたから。
泣いたら壊れる気がしたから。
白衣の男はゴムの手袋をはめ直し、カチャカチャと“何か”の準備をしている。
『痛ッ』
急に足の間に痛みを感じた。
何か冷たい金属を入れられている。
中で何かが動いている。
初めての感触。
痛い。冷たい。気持ち悪い。
何をしているか確認したいが怖くて見れない。
『やだ!痛い!やだぁ!!』
マリーは頭を降って抵抗した。
手足を固定されていてなんの意味もなかった。
ふと手を押さえている男と目が合った。
男の顔はニヤついていた。
それと同時に白衣の男が言った。
『異常はないね。
それに処女だなこの子。
締まりもいいし、いい仕事するよ』
マリーはぼやけて遠くなる意識の中やっと理解する。
『自分は死刑囚専用慰安婦になるんだ』と。
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