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マリーはハッとした。
『知り合い?私の知り合いって?』
誰一人として『顔』が受かんで来ない。
もちろん名前もわからないのだ。
いたはずの家族や友達の事が何一つ思い出せない。
マリーは考えた。
蒸し暑い部屋の中、冷や汗なのか、なんなのかわからない汗で服をびしょびしょにしながら。
だが、考えれば考える程、マリーにとって悲しい答えにしか辿り着かなかった。
知り合いどころか、自分の名前、年、故郷…
何も覚えていないのだから。
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