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「おはようございます、葵様」
言葉に続いてカーテンの開く音がする。朝の穏やかな日差しが部屋に入ってくる。まだ覚醒していない頭と目には眩しい。
その日差しから逃れようと布団を頭まで被ろうとしたが、葵様、と呼ぶ声と捕まれる手に邪魔された。
むっとなって、眠い目を無理矢理開ける。
「おはようございます」
微笑を浮かべて頭を下げる男を見て軽く舌打ちをする。
仕方なく体を起こしてスリッパを履き、顔を洗うために洗面台に向かう。
同じ室内に設置されている洗面台は、犬でも洗えそうなほど広い。ちなみに、バス・トイレも同じ部屋に設置されている。
その広い洗面台で顔を洗い、付き従っている男から真っ白のタオルを受け取り、顔を拭く。そして部屋に戻り、男に手伝わなれながら学校の制服に着替える。本来、手伝わなれるのはイヤだが、ネクタイと上着だけは男に任せる。
そして朝食を摂るために食堂へと向かう。
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