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そこには伊里野がいた。
僕が伊里野に駆け寄る…。
いくら走っても、走っても、伊里野に近づかない。
「伊里野ぁ!」
「ほ兄ちゃん?」
───────────
夢だ。
いつもこの夢だ…。
「お兄ちゃん大丈夫?だいぶ魘されてたよ」
僕の顔を覗いてくる女の子は僕の妹の夕子。
いまだに呼び方が治っていない。
「なんでも無いよ、なんでも」
そうだ、明日から夏休みだ…。僕ももう三年か…。最後の夏。
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