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名前を呼ばれた少女、瀬奈は驚いたように振り返った。
見ると、1人の少年が自分の方に走ってきている。
「はい、これ君のだよね?」
康高がスッと手を差し出す。
見ると、そこには生徒手帳が握られていた。
数秒間それを眺める瀬奈。
そして、ゆっくりとポケットの中に手をいれた。
「あっ、ない!?わわわ………ありがとうございます」
顔を真っ赤にしながら、康高の手から生徒手帳を受け取った。
ぱちっ、と目が合う。
かっこいい………。
サラサラの髪に、すらっとした体格、整った顔立ち。
紛れもない美少年だ。
見惚れてしまった瀬奈の顔はさらに赤くなっていた。
「あ、そうだ」
何かを思いついたかのように、康高が呟く。
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