天使の帰還

6/11
前へ
/28ページ
次へ
名前を呼ばれた少女、瀬奈は驚いたように振り返った。 見ると、1人の少年が自分の方に走ってきている。 「はい、これ君のだよね?」 康高がスッと手を差し出す。 見ると、そこには生徒手帳が握られていた。 数秒間それを眺める瀬奈。 そして、ゆっくりとポケットの中に手をいれた。 「あっ、ない!?わわわ………ありがとうございます」 顔を真っ赤にしながら、康高の手から生徒手帳を受け取った。 ぱちっ、と目が合う。 かっこいい………。 サラサラの髪に、すらっとした体格、整った顔立ち。 紛れもない美少年だ。 見惚れてしまった瀬奈の顔はさらに赤くなっていた。 「あ、そうだ」 何かを思いついたかのように、康高が呟く。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加