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自分のあっさりとした反応が気に入らないのか、モゴモゴと何か言いたげにしている。
「あー、もう一つ言っとくとさ………」
椅子から立ち上がり、ラケットバッグを肩に掛けながら口を開く。
「康高は、オレより強いから」
ニヤリと笑い、その場を後にする。
残された友人は、口をポカ~ンと開け、周囲に間抜け面をさらしていた。
「康高のやつ、スゲーことになってんな………」
歩きながら、ポツリと呟いた。
「うん、自分でもびっくりだよ」
「そーだよなー、お前自身も………って、いつからここに!!?」
「ん?さっきだよ」
気配感じなかったぞ………
どうなってんだ、と思うが、康高はニコニコしてるだけだ。
「お前…状況わかってるか………?」
「もちろん。今日はたくさん試合できるかもなっ!」
ははっと楽しそうに笑う。
試合できるかも―――すなわち、ケンカ(試合)を売られたら買う気満々らしい。
「千早以外の高校生とやるの久しぶりだからさ、ちょっと楽しみ」
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