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朱雀が周囲に群れる部員に呼び掛ける。
だが、彼らは互いに顔を見合わせるだけで、コートに入ろうとしない。
「朱雀ちゃん、今日はおしまいにしたら~?もうすぐ朱雀ちゃんのお気に入りの例の彼女が来るだろうし~」
群れの中から出てきた一人の男子が朱雀に語り掛ける。
その茶髪(地毛)の男子を見てあからさまに嫌そうな顔をする。
「え~、朱雀ちゃん顔怖い」
「水戸、うるさいよ」
「わ~、冷たい」
水戸輝(ミト ヒカル)はへこむ様子もなく、ニヤニヤ笑っていた。
そのにやけ顔もバカ丸出しな話し方も気に入らない。
そんな朱雀の心情を知ってか知らずか、水戸はさらに余計な一言を放った。
「ま、朱雀ちゃんは朝葉ちゃんがお気に入りだから、説教されるのすら嬉しい――――痛っ!!」
額に見事シャトルがクリーンヒット。
うぅ…としゃがみこみ、額を手で押さえる。
「人を変態扱いしないでくれる?水戸じゃ無いんだから」
「ひどっ、オレだって朝葉ちゃんの説教はごめんだよ」
「じゃあ言うな。あと馴れ馴れしくちゃん付けするな」
「え、何それ~嫉妬~!?」
「………打ち抜くよ」
先ほどよりもスピードのあるスマッシュが水戸へ向かう。
が、水戸はわざとらしくゴロゴロ転がりそれを避けた。
シャトルは空を切り、ぐんぐん進んで行く。
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