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それでも準レギュラーを相手にさせるのか。
その場にいる誰もがそう思った。
“準”がついても、彼らが実力者であることに変わりはないのだ。
それこそ、レギュラーに及ばずとも、一般部員よりも確かな力を持っている。
「ボクはいいですよ。準レギュラーでもなんでも」
さらり、と少年が言い切る。
来たよ、康高の爆弾発言。
千早は苦笑いを浮かべ、だが、どこか楽しそうな顔をしていた。
「とりあえず、試合をさせてもらえれば、良いんです。てか、させて下さい。
ここの所、同年代はこの人(千早)しか相手にしてないので」
「この人ってなぁ…ま、ホントだけど」
二人の発言に驚きの波が広がる。
神崎千早しか相手にしてない。
それが千早でなければ、状況は違っただろう。
千早であるから、驚きなのだ。
「てめぇ、ふざけんな」
「………?」
一人の生徒が前に出てくる。
黒髪、短髪。パッと見は優等生。
しかし、その目付きの悪さはどっからどう見ても、優等生とは程遠い。
突き刺さるような鋭い視線だ。そのうえ、怒りもこもっている。
「どこのどいつだか知らねーが、あんまり一東(ウチ)を嘗めないでもらおうか?」
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