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「嘗めてません。てか、名前はさっき言いました。江戸康高だと」
「………!お前………」
怖じ気づくことなく、真っ直ぐ自分を見てくる。
康高の表情は、決して怖いものではない。むしろ和やかだ。
それなのに―――
(この威圧感………なんだコイツ………)
彼から放たれるオーラは普通じゃない。
男子生徒だけでなく、朱雀や水戸も驚いていた。
「まぁまぁ、二人とも」
康高と生徒の間に千早が入る。
「変な顔しないでさぁ…」
「してないから」
「…ツッコミどーも」
一度咳払いをして、壊れた流れを取り戻す。
「準レギュラー相手って話なら、ちょうど良いじゃん。人吉が康高の相手すれば」
ニヤリ、と千早が笑う。
生徒―――人吉数馬(ヒトヨシカズマ)は目を一瞬目を丸くしたのち、大きく頷いた。
「オレは良いぜ。江戸、相手してやるよ」
「あはは、そりゃどーも」
同級生なんだ。
その事実を千早のタメ語から読み取る。
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