プロローグ

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戻って来るとわかっていたら、最初から地元を離れなければ良かったと後悔する。 進学した高校は全国トップの実力を持つバドミントンの強豪校。 バドミントンをやっている人間ならみな知っているだろう。 少年も、大きな期待に胸を膨らませ入学した。 しかし、予想とは違う現実が彼を待っていた。 「自分のやりたいバドミントンはここにない」 友人がいなかったわけじゃない。 顧問の先生が気に入らなかったわけでもない。 信頼できる先輩がいなかったわけでもない。 ただ、許せないことがあった。 だから彼は部活を辞めた。 その後の学校生活は悲惨なもの。 それこそ、転校しても誰も何も言わないぐらい。 そして、この春。 高校2年生になった彼は、地元に戻ってきていた。 つまり、転校したのだ。
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