天使の帰還

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「わぁ、桜きれ~!」 門へ迎う道の両脇に咲き誇る桜の花。 風に揺れ、枝を揺らし、花びらを舞わせるそれに、西里瀬奈(ニシザトセナ)は感激した。 しばらく足を止め、桃色の花を眺める。 今日から新学期。 瀬奈は高校2年生になる。 昨日までその実感がわかなかったが、こうやって桜の花を見ると、新学年に上がるのだと認識する。 入学式の桜を見てから、1年たったのだ。 今日から2年生。 すなわち、先輩。 入学式は今日の午後にあるため、まだ新入生は入ってこない。 普通ならば。 ここ、一峰東宮高等学校のバドミントン部は普通ではない。 一峰東宮高等学校、通称“一東”は全国きってのバドミントン名門校。 昨年度はインターハイ準優勝、春の選抜ではベスト4。 いわゆる全国大会常連の学校なのだ。
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