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泣いているウサギの足元で、ひっそりと咲いていたタンポポはウサギに問います。
「あなたは何故泣いているの?」
何故、自分は泣いているのか。
ひいては何が悲しいのか。
考えた結果、自分という存在の儚さに気づいたのでした。
誰とも関われず、また関わろうとしなかった自分。
では自分が死んだ後一体何が残るのだろうか?
仲間たちの記憶にすら遺らなければ、自分は居なかったことと同じです。
しかしタンポポの台詞によってウサギの考えは否定されます。
「私があなたを覚えている。」
このときのウサギにとって、この言葉はどれほど救いになったでしょう。
自分を忘れないでいてくれる存在があるということは。
ウサギがそのとき最も求めていたことでした。
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