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悠輝はアパートの郵便受けに新聞を取りに向かう。
この時、寝惚けながらも近所が騒がしい事に気付き、軽く舌打ちをする悠輝。
「朝から皆さん元気だねぇ……」
騒々しさに苛つきながら自分の部屋の郵便受けを見ると、いつもはある筈の新聞がない。
「…… 今日…… 新聞休み? ……ん?」
まだ寝惚けながらも悠輝は郵便受けに手を突っ込んだ。
すると中から紙が折れるような音が聞こえた。
悠輝は新聞だと思いそれを引っ張り出した。
その手に持っているのは大きな茶封筒。
悠輝は首を捻りながら、それを持って部屋に戻った。
部屋に戻ると封筒をテーブルの上に置き、悠輝は顔を洗いに洗面台へ向かう。
例年より若干湿度が高い日が続いていた八蔵市。
悠輝はリビングの窓を少し開けていた。
そこからは外の騒ぎ声が聞こえてきていた。
「…… 随分今日は騒がしいな…… 何でもない金曜日なのに……」
顔を洗い終わり、水滴を拭き取りながら悠輝が呟く。
再びリビングに戻ると、ふと茶封筒が目に入った。
その大きな封筒に、悠輝は何やら異様な気配を感じ取った。
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