...ことの始まり...

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バイトが終わるのは深夜の0時。 普段はそれから片付けや着替えをするので、バイト先を出るのは0時半過ぎることが多い。 しかし今日は辻城のはからいで0時には出ることができた。 体調が悪い訳じゃないけど…助かる。 はぁ、とため息とともに一稀は帰路についていた。 今日は仕事が身に入らなくて散々だった。 帰り際辻城は「気にしないでゆっくり休んでね」と言っていたけど、生真面目な辻城のことだ。 失敗ばかりの一稀のフォローをしていただろう。 本当に申し訳ない。 とりあえず明日はバイトが休みでよかった。 …孝志を誘って気分転換にでもいこう。 もやもやと考え事をしつつ、明るい大通りから抜け道の公園へ。 通りと違って公園は街灯も少なく、人もほとんどいない。 いつものことだが。 公園を抜けるとすぐ自宅。 一稀の足も自然と早くなった。 .
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