可能性、二割。

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「……何やお前、練習参加してへんの?」 「へっ……?!」 裕吾、久々会って、初っ端がそれか?!ん?! ……と、裕吾にこう言われるのにも訳があって、 あたし、ここに来てマネージャーになる前は、 少しの間だったけど、プレイヤー(選手)、してました。 いや、ホンマに短期間!!小四から中三の間! ……ね、短期間っしょ。 で、小学生の時に“Red Gun”(赤き銃。まんまだね。)って同じチームに入ってたから、 あたしと裕吾は透高入学前から「選手」として知り合いという訳だ。 ちなみに中学生の時は、クラブチームに身を置かせてもらってた。 中学生はあたし一人だけだったけど……。 「あのね、こんな体力ない、足遅いあたしが練習参加するなんて有り得ないっしょ?」 「いや、真穂路は大丈夫」 「はぁ?!無理!絶対無理!!」 「真穂路はできる!!」 「だから無理!!……ほら、みんな筋トレ行ってるやん!」 「あ、じゃ行くわ」 裕吾は「あ、ヤバっ」と呟いてから軽くダッシュした。 「……行ってらっしゃーい」 あたしは裕吾の後ろ姿に手を振った。 「……ふぅ。こんなもんかな?」 暫く片付けをし続けて、一度キリのいいところで物置から一歩出て、全体を見渡した。 個人的にはまあまあの出来だと思ってる。 ……さぁ、仕事が無くなった。
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