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白熊は、一緒に来たオークネフを見る。
「早く、お決め下さい。あなたには、時間がありません」
「分かっている」
白熊は、辛そうな表情をした。良い暮しや欲しい物を与えれば、愛も手に入ると思っていた。
「幸せが、遠のいてしまった。氷の城は、どんどん氷っていくようだ……」
「白熊さん、落ち込まないでよ!私がシェンラッド様を幸せにしてあげるから!」
(私が、お城に行ったら、いっぱい頑張る!だから、お願いよ)
白熊は、目を見開いて、ラリサを見た。そして、クククと笑った。
「とても美しく、賑やかなお嬢さんだ。人生はままならないもの……面白い。わかりました。あなたを連れて行きます」
白熊は、ラリサに手を差し出した。
「仲良くしましょ。白熊さん」
ラリサは、ガシッと手を握り返した。
「うわっ!痛いです……」
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