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『氷の城から、明後日迎えに来るから、その時、返事をして欲しい』そう言い残して、使いのオークネフは、帰って行った。
その日は、変わらない日曜日を過ごし、晩ご飯の後、話をした。
「私、お城に行った方がいいわね。うちの暮しも楽になるし」
タチアナは、静かに言った。
「俺は、娘を売ってまで、裕福になりたいと思わないよ」
父親は、涙ぐんで言った。
「タチアナお姉ちゃんは、嫌なんでしょ。嘘ついたら駄目だからね」
ラリサは、姉の顔をジッと見つめた。
(お姉ちゃんは、絶対に、私が守ってあげるから)
ラリサは、拳を振り上げた。
「ラリサ、お願いだから大人しくしていてね。あなたが口を挟むと、ろくな事にならないんだから」
「お母さん、ひどい!私は、タチアナお姉ちゃんを思ってるんだから!」
ラリサは、鼻息も荒く、ある事を決意するのであった。
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