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約束の火曜日――――。
「お嬢様を、お迎えに上がりました」
そう言って、オークネフは微笑む。
その彼の後ろに白熊 。
家族は、びっくりしていた。
「白熊!なんで?変だよ」
第一声を発したのは、ラリサだった。
「私も、氷の城の住人です。決して怪しい者では、ありませんよ」
白熊は、上品な口調で、自分自身で訂正を入れた。
(充分に怪しいんですけど……ハッ、なんて、思ってる場合じゃないわ!さあ、言わなくちゃ、私)
「お城の方、タチアナお姉ちゃんじゃなく、この私が、お城に行きますからね!」
「この子は!何を言い出すのよ!ラリサ、あなたは黙っていなさい!」
母親は、娘の発言に慌てた。
「お姉ちゃんは、身体が弱いの。今も熱が出てるわ。だから、私が代わりに行きます!」
(この家には、タチアナお姉ちゃんがいなきゃ、駄目なのよ)
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