使者

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『さぁやってまいりましたッ! 次は白柳哲子と和田秋雄のパチンコ対決ですッ!!』 「うおおぉぉぉおおぉぃッ!! ってもうこんな時間かよ!! ヤバい寝過ごした!!」 付けっ放しにしておいたテレビの音で目を覚ます。新年を迎えた今、もう大晦日の特番ではなくお正月の特番となっていた。 ちなみに今やっているのは毎年この番組で恒例になっている大物タレント二人によるパチンコ対決だ。確か今のところ白柳哲子が総合で勝っているんだっけか。 「それにしても……あのメールは、一体何なんだ? もしかして実は夢オチってことは……」 僕はそう言って携帯電話を開き、受信メールを確認する。 「ハハハ……無いよな」 期待していた僕がバカだった。ついでに待ち受け画面で時間も確認する。 今は10時半だ。 「……それでも約束の時まであと一時間あるか」 とりあえずパチンコ対決の結果が気になるし、テレビでも見ることにしよう。 僕はそう思い至り、立ち上がるといつもテレビを見る定位置に行こうとする。だがその瞬間僕の脳裏に一つのある可能性が過った。 「……待てよ。もしかして外は何者かの襲撃でもう崩壊してましたとか、そういうオチじゃあ、無いよね?」 それはさすがにヤバいと思い確認することにする。僕はカーテンを開いて外を見てみた。 「……漫画の見すぎだな」 いつも通りの景色だ。今日は元旦だけあって街は活気に溢れている。全然変わっていない。 「やっぱり平和が一番だ」 僕はそう言って頬笑むと、テレビを見にリビングに戻った。
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