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「お待たせいたしました」
ノアルが待つ部屋の扉をシルバは叩く。
そして中から「どうぞ」と声が聞こえると、侍女が扉をゆっくりと開けた。
「いよいよこの日が来ましたね」
シルバの姿を見たノアルは、立ち上がりながら出迎えた。
「これからが私の戦いです。もう後戻りは出来ません」
「デルララの人々も、シルバ様の祝福の為に来られていますよ」
ノアルは優しく微笑んだ。
「ミランの姿が見当たらないようですが」
今日はミランの顔を見ていない。
ノアルと一緒に居ると思っていたシルバはそう言った。
「仕事の引き継ぎが長引いていると聞いています」
立ち上がりながらシルバを迎え入れたノアルは、そう言いながら微笑んでいた。
ノアルのその表情を見ると、不思議と落ち着く。
それが巫女だからなのか、それともノアル本人が持つ温もりなのかは分からない。
おそらく、その両方なのだろう。
シルバはノアルに微笑み返すと、2人はお互いの手を握り合った。
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