戴冠の儀

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そんな侍女は、ついに声を出して笑い出した。 「失礼しました」 侍女は慌てて頭を下げるが、肩が揺れている。 「そんなに笑わなくても…‥」 シルバはどうしていいのか分からず、シュンとしてしまう。 「とにかく、ノアル様がお待ちですので…‥」 いつまでもこの会話を続けられても困ると、シルは話を戻した。 「私は先に行きますので」 シルはそう言って部屋から出て行った。 「シル様でも動揺されるのですね」 侍女はまだ笑っていた。 「笑いすぎですよ」 「笑える時に笑うのが、幸せに近付く方法です」 侍女はシルバのドレスを見ながら、おかしな所が無いか確認していた。 「問題ありませんね。ノアル様を待たせる訳にはいきませんので、行きましょう」 ノアルは侍女に連れられて部屋から出て行った。
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