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謁見の間。一般人が国王に会う時にこの部屋が使われる。一部の例外を除いて。
謁見の間の隣にある執務室
今、この部屋には二人の男がアンゼルからの報告を待っていた。
大量の判子待ちの報告書の山に埋もれかかっている国王、 ケビンと、更に追い討ちをかけるかの様に二山の書類を机に置くレオン・ハルト。
ケビンの顔は心なしか青ざめている。
「…おいこら、レオン・ハルト。
お前は俺を書類の海に溺れさせるきか?」
文句を言うケビンに
「いいえー、そんなつもりじゃないですよ。
私はただ、さっさと帰りたいだけですよー。
今日は妻の誕生日なんです。」
と、レオン・ハルトはにこやかに言った。
こんな、和やかな話をしながら待つ事約半日、アンゼルが『時の商人』を連れて帰ってきたと兵士から報告を受けた。
もう、城に入って来ているらしい。
更に10分後、アンゼル、アルファード、ビルフォードが執務室にやって来た。
「よく来た『時の商人』よ。
君には、眠り続ける我が娘セフィララを目覚めさせてほしい。
医者にはとうに見せた。
だが、誰にもセフィララを目覚めさせる事は出来なかった。」
そこで、貴族からはボッタクリ、一般市民には激安で売ると言う『時の商人』を捜していたと言う。
「初めまして陛下。
我が名はビルフォードと申します。
早速で申し訳ないのですが、
陛下、まずはその姫君に会わせて下さい。
症状が曖昧だと、正しい薬の調合が出来ません。」
と恭しく頭を下げる。
以外にも、礼儀作法に詳しいのはアルファードではなくビルフォードの方だった。
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