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案内しよう。
とケビン自らが前を行こうとした時、レオン・ハルトが左手を出して止める。
「お待ちください。…ビルフォードよ、貴殿の隣にいる子供は誰だ。」
黙ってうつ向いて隣に立っていたアルファードは顔を上げる。
アルファードはフードを目深に被っていて誰にも彼の表情が分からない。
「…ビルフォードと専属契約しています。医術師、アルファードと申します」
ケビン、レオン・ハルトを加えた五人は、セフィララ姫の部屋へ向かった。
その部屋は、一見何でもない普通の部屋に見える。
まぁ、多少空気が悪い気はするが、それ以外はいたって普通だ。
だが、その普通の部屋の中に アルファードは彼らの他に別の存在が在るのに気付いた。
――――へぇ。
「四つの『呪い』に闇の精霊達か…凄いな」
つい、地が出るアルファード。
「四つの『呪い』、札の場所は分かるんだけどさ、
精霊達って何処?
オレ、見えないんだけど」
「当たり前だ。彼らは隠行しているのだから。まだ半人前のビルに見えてたまるか」
札?精霊?何の事を言っているかわからないアンゼル、ケビン、レオン・ハルト は口を出せず、ただ二人の会話を聞いていた。
「ビルフォード、魔法剣士を目指すのだったら、剣術を極めるよりも、先に隠行してる精霊を見える様になりなさい。」
その後、延々と説教が続きそうだったのでケビンが口出しし止めた。
「あー、説教は後にしてさっさと娘を診てくれないか?」
「…すみません。」
謝る二人。
アルファードが小声でビルフォードに何かを言う。
ビルフォードは言った。
「…残念ですが、今のままでは姫様は目覚めません。」
カルサア国で最も有名な薬専商人の言葉にケビンはキレた。
「なっ、何故だ!
貴殿の売る薬は、どんな病も直すのだろう?それが何故っ?」
「病ではないのですよ。これは、呪いなんです。呪いをかけた上に闇の精霊を使って夢の中に閉じ込めてる。
いくらなんでもこれじゃ、オレたちにはお手上げです」
ビルフォードの言葉。
「では、その呪いを解け!」
「これは、魔術師や神官達の分野です。一応、アルにも呪いを解くことは出来ます。ですが、闇の精霊を説得、又は、退けない限り姫様は目覚めませんし、本来、精霊達は彼らの契約者の命令しか聞きません」
「………そうか」
ケビンは爆発してしまった感情を押さえ考える。
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