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「…つまりは、だ。その私達には見えない精霊達に、セフィララから手を引けと頼めば良いんだな?」
「はい。それか、その精霊達の主を亡き者にすれば彼らとの契約が無効になって姫様を目覚させる事ができます」
そうか…と頷き、顔を上げて、後ろに控えているアンゼルとレオン・ハルトに命じる。
「レオン・ハルト総隊長、アンゼル兵士隊隊長。すぐに件の精霊術師を探し出せ」
「はっ!」
敬礼し、早速精霊術師を探すため部屋を出て行くアンゼルとレオン・ハルトの二人。「俺にも手伝わせてくれ」アンゼル達の後を追いかけるビルフォード。
必然的に、部屋に残るのはアルファードどケビン王だけになる。
何故か、長く気まずい沈黙が続く。
「とりあえず、呪いだけでも解いちゃうんで、国王陛下も廊下に出ていて下さい」
とケビン王を部屋の外に追い出す。
「さてっと――」
翡翠色の瞳を輝かせ、アルファードは早速解呪の準備に取り掛かる。
アルファードが右手を前に翳すと、何も無かった空間に光の粒子が舞い始める。
その粒子がアルファードの翳した手の前に集まり、形作り、杖になった。
カツンー
杖で床を叩く。その瞬間、四方の柱に貼られていた呪符が燃え上がった。
「さて、後は任せましたよ…」
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