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少年の名はビルフォード
ビルフォードが売っている薬は午前中に完売する位人気がある。
そのため、午後時間が余る彼は、よく、一緒に住んでいる相棒のために、お土産を買って行く。
お土産を持ってカルサアの街を出たビルフォードは門の外壁に寄りかかっている銀髪の少年を見つける。
その子が彼の相棒、アルファード。彼が売っている薬は全て、アルファードが作った物だ。
ビルフォードは彼に駆け寄る。
「アル!どうしたこんな所まで?迎えに来てくれたとか?」
「少し違いますよ。巡診の帰りです。」
アルファードは手にしている鞄を見せる。
普段滅多に街に近付かない彼を見つけた事で舞い上がっていたので気が付かなかった様だ。
アルファードは副業を何個か持っていて、薬師や医師もその内の一つだ。
もちろん、免許は各々持っている。
「今朝、テーブルの上に置き手紙を置いて行ったでしょう。
羊村ニールに行くって。
ここにはついでで来たんですよ。
…その、一緒に帰ろうと思って。」
と、少しばつが悪そうに言う。
確かに、テーブルの上に何かあった様な気がした。
だがいつものことで、『巡診』の字だけ見てあまり詳しくは見なかった。
ニールはカルサア国の少し西にあって、二人の住んでいるさくら山から4時間ほどかかる距離にある。
『羊村』の名が示すとうり、ニールはほとんどの民家で羊を飼っている。喉かな村だ。
ただ、この村には医者や薬師が居ない。
アルファードが巡診し始める1年前までは、病死人が絶えなかった。
「さぁ、行きますよ。」
さっさと歩き出すアルファードを
あ、待って! と追い掛けるビルフォード。
二人は夏のさくら山に帰えて行った。
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