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「それで、アンゼルさんは何でこんな季節外れの山になんか入ったんですか?」
アンゼルは王命のことを一般人に、それも子供に、どこまで本当の事を話して良いのか悩んで半分だけ本当のことを言う。
「主の命令でな。
巷で今、有名な行商人で《時の商人》を捜して連れてきてくれと頼まれたんだ。」
「ふ~ん。」
「君達なら知っているんじゃないか?噂の商人も、ほぼ毎日この山に行っているらしいから。」
「あぁ!」
ビルフォードが突然声を上げる。
「あんた、昼間の変なオッサンの仲間だったのか!」
そうかそうかと一人納得しているビルフォード。
当然、アルファードとアンゼルには何のことだか解らない。
「ちょとまって、一人で納得してないで。
ちゃんと説明して。」
「あのな、オレ午前中街で店出してるじゃん?
そこで今日変な客が来たんだ。」
ビルフォードは昼間の変な客について説明する。
その途中、アンゼルは額に青筋が立つのをおさえられなかった。
(…あの野郎、帰ったら覚えてろ💢)
その男はアンゼルの部下なのだ。
「それで、アンゼルさん。こんな所まで来たご用は何でしたっけ?」
「あ、あぁ。
この辺りに住んでいるらしい《時の商人》を知らないか、という事だったんだが。」
「―知ってますよ。」
「本当か?」
思ったよりも早く任務が終わりそうだったが。
「本当も何も、もう会ってますよ。あなたは。」
「…は?」
「ビルフォード、彼があなたの探し人ですよ。」
「…………」
「…………」
「ハァ――!?」
これは予想外だった。《時の商人》が若いのは事前の調査で解っていたが、ここまで若いとは思わなかった。
歳を尋ねたら
…15
と、返ってきた。
ついでにアルファードにも尋ねてみかが、
ひ・み・つ、です♪
と返ってきた。
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