Ⅰ幕

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学校の帰り道、ふと狭い路地を見てみる。 あの子が居た。 捨てられたのか小さな箱の中に居る小さな生き物をじっと眺めた後こちらを一目みて去って行った。 風邪を引いていたのではなかったのか ふと疑問に思って後を追ってみたけどすでにあの子の姿はなかった。 さほど気にせず帰る。 家に着いた頃にはあの子の事など忘れいつも通りに過ごし、寝て、朝になり、いつもの様に学校へ登校する。 教室に着くとあの子は既に居て、クラスメートが話かけると一言二言話をしてクラスメートは去って行く。 HPが始まるとその日は何時もと少し変わっていた。 中庭で皆で交代して育てたウサギが口に花火を入れられ焼かれた姿で発見された。 皆が悲しみ涙を流している中、あの子も肩を震わせてしゃがみ込む。 だけど目には涙を流した後などない。 皆に合わせていただけなのだ。 皆に合わせて泣いてる振りをして仲間に加わっていただけ。
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